噴火から5年…御嶽山の“今” 犠牲者の多くが登ったルート未だ立入禁止 息子不明の男性「悔しく残念」

御嶽山の噴火から27日で5年となりました。麓の長野県王滝村では追悼式があり、遺族らが冥福を祈りました。人が戻りつつある御嶽山と遺族たちの思い…御嶽山の“今”です。


 緑に包まれた御嶽山。


(リポート)

「御嶽山噴火から5年が経ちました。上空はあの時と同じ真っ青な快晴となっています。火口からは、今もなお白い噴煙が上がっています」


 5年前の9月26日…。58人が死亡、いまだ5人が行方不明。戦後最悪の噴火災害となりました。


 麓の長野県王滝村では犠牲者を弔う追悼式が開かれ、遺族らが慰霊碑に花を手向けました。そして、噴火した時刻の11時52分に黙祷が捧げられました。


(リポート)

「多くの人たちが、頂上の剣ヶ峰を目指して歩いている姿が見られます」


 早朝から、山頂を目指す多くの登山客の姿が見られた御嶽山。中には、噴火当日に登り、生還した人の姿も。


噴火から生還した小野田猛さん:

「自分が出来ることは周りに体験を伝えていくことと、こうやって毎年慰霊に訪れることかなと思って毎年登っています」


 噴火から5年。人が戻りつつある山と、止まったままの遺族たちの時間…。


息子を亡くした所清和さん:

「噴火するまでは、本当に楽しい登山だったんだろうなって。(天国で)何してる?うまくやってるか?というのはやっぱりありますね。でも、その答えは聞けないですけどね」


娘を亡くした長山幸嗣さん:

「今生きていれば、もう高校1年生になっています。前を向いて生きていかなければならないので、思いを抱いたまま、そのまま年を重ねていくんだなというのを感じております」


息子が行方不明の野村敏明さん:

「5年たっても変わらずに行方不明なままの息子のことを思って…。まだ立ち入ることすらできない実情が、本当に悔しい思いですね。残念でなりません」


 御嶽山は去年、避難シェルターなどが設置され、安全対策がされたとして一部の登山道のみ山頂まで登れるように。かし、犠牲者の多くが登った王滝口のルートは5年経った今も山頂に立ち入ることが出来ない状況が続いています。


 山小屋の解体や手すりの整備など、まだまだ道半ば。噴火から5年目の御嶽山です。


https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190927-00024536-tokaiv-l21より