合併しない宣言で有名「超ワンマン」町長がいた小さな町 15年の時を経て、記者が訪ねた…元町長は何語る

かつて「合併しない宣言」や住基ネットへの接続拒否で全国的に有名になった福島県の小さな町があります。「超ワンマン」と自任する町長が町を引っ張り、国や県と対立し、多くの報道陣も押し寄せました。当時を取材していた記者が15年ぶりに町を訪れ、功罪について考えました。(朝日新聞福島総局・古源盛一)


すぐそこは茨城


 福島県の南端に位置する矢祭町。東北新幹線の新白河駅から車で1時間20分、町中心部から5分も車で走れば茨城県境です。国の1級河川・久慈川の上流部に沿って田畑が広がり、名産はユズやコンニャク。5月はツツジが咲き誇り、間もなくアユの時期を迎えます。


 メインストリートの国道は通行車両が多いものの、人通りはほとんどなく、商店はどこかさみしげ。どこにでもありそうな地方の町ですが、一躍有名になったのが2001年の「合併しない宣言」と翌年の住基ネット接続拒否の表明でした。


 根本良一町長(当時)が国の方針に相次いで反対し、片山虎之助総務相(当時)と舌戦を繰り広げ、新聞やテレビは大きく取り上げました。合併しない宣言では少なくない小規模自治体に「勇気」を与え、全国から自治体関係者の視察が相次ぎました。

つづく

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190521-00000008-withnews-l07より