ゴジラと歩む人生 日本で3人目の怪獣造型師・原詠人さん「もう一度怪獣作る」

今年生誕65周年を迎えたゴジラ。怪獣ブーム全盛期の1980年代から90年代初頭、組み立て式模型玩具「ガレージキット」の原型を作っていた職人が岐阜にいる。原詠人(えいと)さん(63)=岐阜市鷺山東=。「日本で3人目の怪獣造型師」の二つ名を持ち、10年間で約80種類の怪獣を手掛けた。引退し20年余り怪獣模型の仕事から遠ざかっていたが、ゴジラ模型に触れたことで、原点に回帰。再び創作に関わる夢を膨らませている。


 ガレージキットは、少数販売でゴム製の型を使うため、細部までこだわった表現ができる。原さんは岐阜を拠点にフリーで怪獣の原型を製作し、造形メーカー「海洋堂」(大阪府)に入社。今では「原型師」と呼ばれる職業だが、当時はプロの存在は珍しかった。


 足の指先が地面から離れ、今にも歩きだしそうなポーズが原モデルの特徴だ。使用するのは数種類の竹べら。「粘土が固まりかけているときに全体を少しひねる」という独特な工程を経て、躍動感あふれる唯一無二の作品が生まれた。


 郡上市白鳥町に生まれ、小学生のときに映画館で「三大怪獣 地球最大の決戦」(64年)を見てゴジラに魅了された。当時、販売していた金型のプラモデルは平板な造りで「映画の造形とは全然違った」。ゴジラの頭部の石こう原型を作るなど、次第に自作したい欲求が高まった。

つづく

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190527-00141610-gifuweb-l21より