本田秀夫「子どものココロ」

小学6年生のGさんは、幼児期によく転んでけがをしました。今も、歩いていて机の角に体が当たって物を落としたり、ちゃんと前を見て歩いているのに段差につまずいたりすることがときどきあります。学校生活では、体育の時間が憂うつでなりません。ボールを投げる動作や蹴る動作がうまくできないため、球技は大の苦手です。ダンスも振り付けをうまく覚えられません。走るフォームがぎこちなく、短距離走は遅いのですが、持久力はあるので、中距離走や長距離走では比較的良い記録を出すことができます。


 小学4年生のHくんは、手先がとても不器用です。字を書くことや絵を描くことがとても苦手で、一生懸命に書いても形が整わず、バランスが悪くなってしまいます。箸もうまく持てず、小さな物はうまくつまむことができません。洋服のボタンやファスナーの操作にも時間がかかります。学校では、図工の時間や作文の時間などがくると、表情が暗くなります。


 小学3年生のIくんは、最近ギュッと目をつぶる動作をすることが増えました。走り回って遊んでいるときなどはそれほど目立たないのですが、授業中や宿題をやっているときなどには、この動作が増えます。親が注意すると、動作を止めることはできますが、しばらくするとまた始まります。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190511-00010000-yomidr-sctchより