「イラン関与」裏付け、米が機密開示を検討

 【ワシントン=海谷道隆、ニューヨーク=村山誠】シャナハン米国防長官代行は14日、中東ホルムズ海峡近くのオマーン沖で起きた日本などのタンカー2隻への攻撃について、「情報の機密をさらに解除し、より多くの情報を共有したい」と述べた。イランの攻撃への関与を裏付ける情報を関係国などに提供し、米国の主張に対する国際社会の理解を広げる狙いだ。


 シャナハン氏は国防総省で記者団に「(中東を管轄する)中央軍が、任務を遂行する上で必要な資源と支援を確実に得られるようにしている」とも語った。情勢は緊迫化しており、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)ら政権内の対イラン強硬派が、中東に展開する米軍の増強を求める可能性がある。


 米軍は13日、イランの精鋭軍事組織・革命防衛隊が攻撃に関与したとする映像を公開したが、イランは攻撃を全面否定している。シャナハン氏は14日、記者団に「我々は(米国の主張への)支持を広げなければならない」と訴えた。


 一方、国連のグテレス事務総長は14日の記者会見で、攻撃について、「真実と責任の所在を明らかにする必要がある」とした上で、「独立した団体による調査が必要だ」と述べ、第三者による調査の必要性を訴えた。米国とイランの主張が真っ向から食い違うことを受けた提案だ。グテレス氏は、米国が公開した映像については、「映像は見ていないし、説明も受けていない。メディアで目にしただけだ」と話した。


 一方、英紙デイリー・ミラーは14日、攻撃で炎上するタンカーを目撃した民間船の乗組員の音声を伝えた。それによると、乗組員は「タンカーが燃えている。おそらく魚雷攻撃だ」と緊迫した様子で話した。日本の海運会社が運航するタンカーとは別のタンカーとみられる。民間船は、炎上するタンカーから乗組員を救助したという。